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<弁理士コラム>知財業務ワークフローをkintone化してみました
今年もあとわずかですが、昨年に引き続いて在宅勤務と職場への出勤を併用しながら業務を行う1年でした。どちらの職場でもそうだと思いますが、在宅勤務ではコロナ禍前と同じように業務を進めることができないことが多くありました。
そこで、今年はkintoneをつかった知財業務ワークフローの改善に取り組んでみました。既存の期限管理システムにより各種の期限は管理していますが、こちらのシステムでは、以下のような要望には対応できません。
・どの担当者がどの程度の業務を抱えているのかを一覧で把握したい。
・個別案件の進捗状況を管理したい。
・個別案件の担当者間のやりとりをスムーズに行いたい。
・期限等の通知を条件を設定して自動で行いたい。
これまでは、紙の帳票、エクセルの管理表、電子メールでのやりとりなどを併用していましたが、情報の入力作業や帳票の印刷、配布などの作業が発生していました。これをなんとかできないかと考えていたところ、ユーザによるカスタマイズが容易なkintoneを使えそうだと考えました。専門業者にシステム開発を委託する方法もありますが、kintoneであれば、業務の変更に併せてカスタマイズすることができ、ライトコースなら1人780円/月と費用負担が少ないです。
まずは、業務を洗い出して以下のような知財業務ワークフローを定めました。こちらは外国出願でオフィスアクションは発行された場合のワークフローであり、1つの案件に技術担当と事務担当が関与します。特許事務所の業務に特化したものですが、企業内でも複数の担当者が1つの案件で関与する場合には、以下のように担当者間でのやりとりが発生すると思われます。承認者などがいればより複雑なワークフローになります。
kintoneは、以上のようなワークフローの進捗を管理する「プロセス管理機能」を標準で備えており、各案件に入力する情報に応じて、以上のように条件分岐するワークフローを実装することができます。個別案件の情報(各種番号、期限など)は、既存の期限管理システムから取得するようにしましたので、手作業で入力する項目を減らすことができました。kintoneのレコードには書類などの機密情報を載せませんので、万が一の漏洩リスクも考慮しています。運用を開始して半年たらずですが、既に多くの業務に取り入れており、今後も広く展開していく予定です。
弊所では、お客様の社内での業務負担を軽減するための事務管理サービスを提供しております。kintoneのようにノーコード・ローコードでアプリを実装できるシステムが広く普及し始めていますので、kintoneの運用で得たノウハウも含め、お客様の知財業務フローの管理や改善についてより良いご提案ができるように改善してまいります。
弁理士 長田大輔