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<弁理士コラム>その時代ごとの「新しいもの」を生み出そう

筆者は通勤時に、当所の最寄り駅の一つであるJR桜木町駅を利用しています。朝の下車時に「線路はつづくよどこまでも」のメロディが耳に入ると、自然と仕事モードに頭が切り替わります。
その桜木町駅は、1872年(明治5年)に日本初の鉄道が新橋~横浜間で開通した際に、初代横浜駅として開業しました(現在の横浜駅は3代目)。残念ながら、初代横浜駅の面影を残す建物は今はなく、新設されたJR桜木町ビル内に展示されている蒸気機関車(当時使用されていたSL)や、JR桜木町駅新南口改札外の地面にひっそりと埋まっている「鉄道発祥の地 記念碑」(写真、撮影:筆者)などから思いを馳せるのみとなっています。

一弁理士としては、その日本初の鉄道には何か特許を受けた部品等があったのでは?と気になって調べてみたのですが、日本での特許第一号である「堀田錆止塗料及ビ其塗法」は、1885年8月14日付で付与されており、鉄道開業から13年後でした。このため、開業当初の鉄道には、日本国で特許を受けた部品などは用いられていなかったようです。

横浜、特に桜木町近辺は、日本で初めての鉄道の営業地であることだけでなく、アイスクリーム、ガス灯、街路樹、乗合馬車(地名「馬車道」の由来)等、実にいろいろなもの・ことの発祥の地となっています。
最近では、JR桜木町の駅前広場と運河パークとを結ぶYOKOHAMA AIR CABIN®2021年4月に開業し、日本初の都市型循環式ロープウェイとして、行列ができる日も多い新たな観光スポットとなっています。また、当所が入っている横浜ランドマークタワーではいろいろとイベントが行われており、先日、そのイベント会場ではスタンプラリーのポイントの一つとなっていました。昼休み終わりに横を通り過ぎるときにちらっと見ると、スタンプの台紙はあるものの、スタンプラリーといえば当たり前のように置いてあるスタンプとインクがありません。あれ?と思い、いったん通り過ぎたのをまた戻ってよく見てみると、台紙を挿入すると自動で押印される装置が置かれていたのでした。係の方にお話をうかがったところ、やはりコロナ禍の影響で、不特定多数の人が触れるような形式ではなく、この状況下ゆえ採用されたとのことでした。スタンプを自分で押すのもスタンプラリーの醍醐味の一つですが、その時代に合った発明はこうやって生まれていくものなのだな、と感じました。

横浜は、歴史的にも現代でも、「新しいもの」、「初めてのもの」がよく似合う街です。
「新しい」技術を発明したりデザインを作成したら、そのご相談にぜひ当所にお越しください。併せて、古くて新しい桜木町をゆっくり散策して、この鉄道発祥の地の記念碑も探してみてください。空が広いこの街で散歩をしたら、また新しいアイデアが浮かぶかもしれません。