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<弁理士コラム>PCT出願におけるイメージファイル
機械、電気、ソフトウェア関連技術の案件を主に担当していますので、頻度はかなり低いのですが、グレースケールの画像を含む図面を用いる場合があります。
インターネット出願ソフトにおけるイメージファイル形式として、日本国内出願ではグレースケール(JPEG)で出願できますが、PCT出願では図面にJPEGが含まれていると警告がなされます。これは、国際公開時にイメージがJPEGのグレースケールからTIFFの2値へ変換され、イメージが不鮮明になることに対する警告です。
https://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/3_support/pdf/img_01.pdf
日本出願でグレースケール画像を用いた図がある案件を優先権主張してPCT出願する際に、下記のフリーソフトを用いて簡易的に以下のような対策が可能です。下記論考(※)にあるように、PhotoShopを用いて誤差拡散法によるグレースケールの疑似的な2値化ができますので、通常はPhotoShopを用いて適切に画像を加工すればよいですが、当方のように普段は取り扱わないような担当者が急ぎで対応する必要があるような場合には有効です。
※「外国出願対応可能な特許図面様式」パテント2015 Vol.68 No.11
https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/201511/jpaapatent201511_057-068.pdf
フリーソフトは、「Dibas」というもので、下記からダウンロードしました。1997年製ですが、Windows10,11で問題なく動作します。このソフトで画像ファイルを開いた後、「編集」-「減色」-「減色2色」から、「ハーフトーン」、「局所適応法」、「組織的ディザ」、「白黒二値」、「平均誤差最小」の処理を選ぶことができます。かなり古いソフトですが、このような処理をできるフリーソフトは実はあまりないようです。
http://knoa.jp/jiko/pc/dibas/
サンプル画像を用いた処理結果は以下のようになりました。「ハーフトーン」、「組織的ディザ」、「平均誤差最小」の処理で、グレースケールを疑似的に表すことができています。どの処理が適切であるかは、元画像のグレースケールで示したい内容と処理結果の画像から判断するのが良さそうです。
弁理士 長田 大輔