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<弁理士コラム>USPTOがAFCP2.0の申請受け付けを終了

米国特許商標庁(USPTO)から最終拒絶理由通知(Final Office Action)を受けた場合に請求項を補正して応答する際に、継続審査請求(RCE)を行わずに一定時間内での審査を審査官に求めるAFCP2.0(After Final Consideration Pilot Program 2.0)の申請の受け付けが、2024年12月14日をもって受付終了となりました。
AFCP2.0で審査官に認められる検討時間が3時間に制限されるため、新たな争点(new issue)を追加する補正であり検討・調査に時間を要するとの理由でAdvisory Actionが発行されるケースが多い印象があります。一方で、審査官からの連絡により米国代理人との間でインタビューが行われ、審査官から特許許可となる軽微な補正を提案されるケースもありますので、補正の内容によっては非常に有効でした。

先日弊所を訪問いただいた米国審査官を経験した米国代理人にAFCP2.0の終了後に検討すべき対応を聞いたところ、その米国代理人からは以下のようなコメントがありました。

● 審査官へのインタビューが効果的で、最終拒絶理由通知(Final Office Action)が発行されるよりも前に行うのが好ましい。
● 例えばクレーム数が5-7個程度である場合は、従属クレームを追加していずれかのクレームが許可可能であるとの認定がされ易い状態とするのがよい。出願時や最初の拒絶理由通知の応答時に従属クレームを追加しておくのが好ましい。

なお、こちらの米国代理人からは、個人的な意見とのことでしたが、遠くない将来にAFCP2.0と同様の制度が復活するのではないかとのコメントがありました。理由としては、AFCP2.0の申請に高額の庁費用(~500ドル)を求めるUSPTOの提案が認められなかったもので庁費用を200ドルなどの受け入れやすい金額にした新たな提案がされるのではないかとのことでした。

2025年1月19日からUSPTOのRCEの費用が大幅に増額(1回目のRCE費用が1360ドルから2000ドルに増加、2回目以降のRCE費用が1500ドルから2830ドルに増加)されることもあり、最終拒絶に至るまでの十分な対応が重要となります。

なお先ほどの米国代理人によれば、審査官へのインタビューが効果的とのことでしたが、対面でのインタビューを求めることには慎重になっているとのことです。USPTOの審査官はまったくオフィスに出勤しないことも可能となっていて、インタビューを行うために審査官をオフィスに呼び出すことは少なからず審査に悪影響を与える可能性があるからだという理由です。なかなか引用文献との差異を認めてくれない審査官に対しては対面でのインタビューで活路を見出すのも有効と思いがちですが、思わぬ悪影響もあるようです。

弁理士 長田 大輔

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